旅するトナカイ

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the surroundings (or those things happend these days)

あのひとは、
自分のことばが、どれほどわたしを汚すか知らない。


沈黙が、どれほどわたしの過ちを煽るか知らない。


未来への、まるで眩しいものしかないまなざしが、
どれほどわたしの毛皮の生き物を、深くするか。


わたしはそれを、誰にも言うまい、誰にも渡すまいと
首を絞めて、岩に打ちつけて、
黙と、ふたを圧す。


ああ。
けれども、
けれども


あのヒトだって知らない。
その唇の震撼が、つややかに流れる髪が、触れればゆるく凹む茶色い肌が、
どれほどにわたしの、
汚濁を飲み込むか、
春の嵐を吹き込むか、


異次元の夜に灯を点すか。


(そして朝を迎えるわたしの、落胆を助長するか。)


だれもしらなくていい。
だれも覚らなくていい。