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レ・ミゼラブル

レ・ミゼラブル (1) (新潮文庫)

レ・ミゼラブル (1) (新潮文庫)

世紀のエンタテイメント文学。


2010年出会った本の中で一番好きだった作品。
「ああ無情」といえば児童向けの「名作集」みたいなもので読んだことがある方も多いと思うけれども、ちゃんとしたロングバージョンで是非これは読んでいただきたい。


なにせ主人公ジャン・バルジャンの登場まで90ページほどじらされ、あれよあれよと昼ドラ張りの天国と地獄のジェットコースターが続き、しかし合間合間に作者の持論のような歴史のお勉強のようなうんちくが挟まれ、読者は「ところであの人はどうなったの!?」とヤキモキさせられるのである。
エンタテイメントが「先が気になって仕方がない」「ドキドキワクワクさせられる」ものであるならば、この作品ほどそれに見合ったものはないのではないだろうか。
何より、5巻読破した時の達成感たるや。


もちろん表現の点でもユゴーは詩人たちと引けを取らない。
マリウスとコゼットの忍ぶ恋心の、なんと耽美で切実で、情熱的なことか。
恋をしていて良かったと思うのは、こういう時である。「そうそう、そうなんだよ」って思えるから。


これを読んだ後で、ミュージカルの名曲の数々を聴けば、感動もひとしおである。
スーザン・ボイルで話題になった「I Dreamed a Dream」の、なんと悲しいことか。